ホーム エネルギー 「脱炭素先行地域」に12件が追加。全国36道府県95市町村の74提案が選定

「脱炭素先行地域」に12件が追加。全国36道府県95市町村の74提案が選定

「脱炭素先行地域」というワードをご存知でしょうか?エネクリップをいつもご覧いただいている方であれば、お察しの通り「カーボンニュートラル」に向けての取り組みのひとつとお分かりになるかもしれませんね。目的はわかっても、誰が、何を、どのように取り組むかはピンとこないのでは? 「政府の取り組みで私には関係ない」と思ったなら早計というもの。地域脱炭素は地方公共団体・地域の企業・一般市民こそが主役。ぜひ一緒に、主体的に学びましょう!

脱炭素先行地域とは?

「脱炭素先行地域」について、環境省では以下のように示しています。

脱炭素先行地域とは、2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出(※)の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても、我が国全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域で、「実行の脱炭素ドミノ」のモデルとなります。

脱炭素地域づくり支援サイト

また、2025年までに少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を選定し、2030年度までに実行するとありました。現在はまだ計画の提案を募集している段階。令和4年からこれまでに4回の募集が行われ、現時点で全国から74件が選ばれています。※以下画像は脱炭素地域づくり支援サイトよりお借りしました。

誰が、何を、提案するの?

主たる提案者は「地方公共団体(市区町村、都道府県)」で、民間事業者などとの共同提案が必須とされていました。「2030年度までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロの実現」を目指し、そのための計画内容は提案者がそれぞれ考えなければいけません。地域の特性を活かし、地域課題を解決、地方創生に貢献できるものが期待されているようです。具体的にどのようなものかは、やまとの本拠地である鹿児島県で選定された「日置市」(以下、敬称略)の計画を例に見ていきたいと思います。※以下画像は脱炭素地域づくり支援サイトよりお借りしました。

「日置市」が主たる提案者で、民間のエネルギー事業会社と金融企業が共同提案者に。再エネ設備「太陽光発電・蓄電池」「小水力発電」の導入のほか、地元高校での再エネ人材の育成や、再エネ地産地消の付加価値を加えた地域のブランド力向上が盛り込まれた計画となっています。今ある技術での現実的な計画なので、過疎化や衰退のイメージが色濃かった地域が、本当に再エネ先進地域へと生まれ変わるかもとワクワクしました。これまでの選定結果や、そのほかの提案内容は「脱炭素地域づくり支援サイト」で確認できるので、ぜひのぞいてみてください。

みちよ

よく知っているようで、知らなかった地域の再エネポテンシャルに気づけるかも!

何を基準に選ばれているの?

日置市が選定されたのは第3回までは「施策間連携・地域間連携・地域版GX・民生部門の電力以外の温室効果ガス削減の取組」に優れた提案が優先的に選ばれていましたが、令和5年8月18日から8月28日の募集されたばかりの第4回では、新たに「生物多様性の保全、資源循環との統合的な取組」が加わっています。

選ばれたら、どうなるの?

選定地域には「地域脱炭素以降・再エネ推進交付金」などが公布されます。地域の再エネポテンシャルを最大限活かした再エネ設備の導入、基盤インフル設備や省CO2設備の導入のための事業に対して、おおむね5年程度の継続した支援が受けられます。選定地域が起点となって、脱炭素の取り組みがドミノ式に周りの地域、そして全国へと波及することが期待されています。

未定の第5回、2030年までに実現性の高いものを

令和6年2月とされていた第5回募集は延期になりました。理由は、先進性・モデル性・実現可能性の高い提案を促す観点から検討・調整期間の確保のためとされています。特にこれから選定される提案は2030年までの実施期間が短いので、より実現可能性を深く追求したものが評価されそうです。

脱炭素先行地域でなくても、提案者でなくても、脱炭素への取り組みは必要です。やまとでは、いち個人、いち企業の「脱炭素」に向けた取り組みを応援しています。再エネ・省CO2設備の導入をはじめ、それぞれに最適な形でご提案をいたします。

脱炭素の取り組みのご相談はこちらから
この記事を書いた人:みちよ

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