ホーム 太陽光 九州本土は2022年12月開始。出力制御対象拡大とオンライン代理制御

九州本土は2022年12月開始。出力制御対象拡大とオンライン代理制御

九州電力エリアで2022年12月から開始することが発表された新しい出力制御の運用方法。2015年1月下旬までに接続申込をした10kW以上500kW未満の太陽光発電設備はこれまで対象外でしたが、今回からは対象となります。住宅用も例外ではありません。
出力制御のために手続きや特別な操作をする必要はありません。ただし売電収益に変化があるため内容を理解しておくことが大切です。

出力制御の運用が変わる

2022年4月、再生可能エネルギー電気に関する改正法が施工されました。変わったことのひとつが「出力制御」の運用。この春九州電力送配電は、2022年12月から新しい運用で出力制御を実施すると発表しました(九州本土のみ)。やまとで10kW以上の太陽光発電設備を購入されたお客さまのもとにも、送配電事業者から「出力制御」と書かれたお知らせが届いたのではないでしょうか。

新しい運用方法とはどのようなものなのか、九州電力エリアの場合でお話しします。ポイントは次の2点です。
・出力制御の対象拡大
・オンライン代理制御の導入

出力制御とは

出力制御は、簡単に言うと発電量をコントロールすることです。 電気は基本的にためることができません。発電したそばから消費されていくものです。需要と供給は「同時同量」であることが鉄則。もしも供給過多で電気が余ったり、逆に需要が大きすぎて電気が足りなかったりしてバランスが崩れてしまうと、周波数が乱れてひどいときには大規模停電が発生する可能性があります。需要が高ければ供給を増やし、需要が低ければ供給を抑える。これが出力制御です。太陽光発電で言う「出力制御」は、出力を停止または抑制することを示します。

かんまり

ちなみに、周波数が乱れると照明がチカチカすることがあります。これをフリッカ現象といいます。

出力制御の対象範囲が拡大

まず、今回の改定によって出力制御の対象設備が増加します。これまで九州電力エリアでは、旧ルール(※)10kW以上500kW未満の太陽光発電設備は出力制御の対象外でした。その範囲が10kW以上のすべての太陽光発電設備に拡大します。

つまり10kW以上であれば住宅用太陽光発電設備も対象となるということ。そのため、一部の一般家庭にも出力制御に関するお知らせが届いたのです。

※「旧ルール」に該当するのは2015年1月下旬までに接続申込を行った発電設備。それ以降の発電設備は「指定ルール」に適応します(九州電力エリアの場合)。

はじめて対象となった人はここをチェック

突然の知らせに驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、出力制御の対象となるにあたって手続きをしたり発電設備を操作したりする必要はありません。

ただし送配電事業者で出力をコントロールするため、①なんだか発電量が少ない、または②発電量に対して売電収入が少ないと感じることはあるでしょう。

②が発生しうるのは、発電設備がインターネットに接続されていない場合です。

発電設備がオンライン化されていれば送配電事業者が遠隔で出力制御を実施しますが、そうでなければコントロールすることができません。日照がある限り電気をつくり続ける、つまり通常通りの発電が行われます。

かんまり

オンライン化されている設備だけが止められるのは不公平だ!

その不公平を解消するのが今回から導入されるオンライン代理制御です。②のように感じるのはこれが実施されたからです。

オンライン代理制御とは

オンライン代理制御とは、オフライン(インターネットに接続していない)発電設備の出力制御をオンライン化された発電設備が代わりに実施するものです。オンライン側には代行していた時間帯に発電していたと思われる「みなし発電量」に見合った料金が支払われ、オフライン側は出力制御の対象となる時間帯の発電に対する料金が差し引かれます。

かんまり

代理制御による清算は実施の2カ月後の支払いのタイミングで行われます。

九州電力送配電のWebページでは接続申込の時期やオンライン・オフラインの違い、500kW以上か未満かで細かく場合分けされていますのでご参照ください。

オンライン出力制御でおさえておくべきポイントは以下のとおりです。

出力制御時の運転について
・オフラインの発電設備は出力制御時の発電停止は不要
・オンラインの発電設備がオフラインの分の代行制御を行う

※旧ルール500kW以上のオフライン発電設備は、GWや年末年始など需要が特に減少するときに従来通りの手動停止を要請される場合があります。

売電収益について
・オフラインの発電設備は発電量分の料金から出力制御分が控除される
・オンラインの発電設備は代行制御した時間帯に発電していたとみなされる発電量分の料金が補填される

オフラインのオンライン化は可能か

インターネット回線の整備と出力制御機能付きのパワーコンディショナーの設置ができればオンライン化は可能です。九州電力送配電では、オンライン化を希望する際はまずは太陽光発電設備の販売店へ連絡することを推奨しています。やまとでご購入のお客さまは、当グループへお問い合わせください。

やまとのお問い合わせフォーム
この記事を書いた人:かんまり

この記事をシェア!