本格稼働迫る。GXリーグはわたしたちにも関係する?
2022年に経済産業省が立ち上げ、本格稼働が待たれるGXリーグについて調べました。今回は入門編として、概要や目的に触れます。2050年カーボンニュートラル実現に向けて産業界や政府など大きな組織が連携する場で終わらず、わたしたち生活者にも変化を求めているように感じました。
GXとは
GXとはGreen Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称です。Greenは「環境」、Transformationは「変革」を意味します。
GXリーグ設立準備公式Webサイト(2023年4月現在)で、GXは
2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革
ABOUT|GXリーグ設立準備公式WEBサイト
を起こすことと表現されています。
カーボンニュートラルの達成はいまや世界全体の目標。すべての国がGXに取り組むと、気候変動対策の大きな力となります。日本でも「2050年カーボンニュートラル」が宣言されました。これを見据えた経済産業省が中心となり2023年度本格稼働の準備を進めているのがGXリーグです。
GXリーグとは
GXリーグは
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXへの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が、同様の取組を行う企業群、官・学と共に協働する場
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です。2023年1月31日までに合計679社が賛同。大和電機グループからも大和電機株式会社、やまとソーラープラント株式会社、ネクストパワーやまと株式会社の3社が賛同企業として参加しています。※賛同企業は2023年4月28日まで
一部では活動が始まっていますが、具体的に何をするのでしょう。
3つの場で繰り広げられる事業者間の対話を通じて政策を形づくろうとしています。
1.未来社会像対話の場
産官学民で2050年カーボンニュートラルの未来像と、そこに向けた経済社会システムの移項像を議論・創造します。
2.市場ルール形成の場
カーボンニュートラルではどのような市場が生まれるか、そこに必要なルール。
3.自主的な排出量取引の場
企業が高い排出量削減目標を掲げ、自主的な排出権取引を行う。
気候変動対策に先駆的に取り組む事業者たちが経験で得た課題や成果、知見を出し合い、実践しながらGX推進の方向性やルールを定めようとしているんですね。
出典:GXリーグ設立準備公式WEBサイト
産官学民それぞれの役割を、以下にまとめました。
産(民間企業)
①GXの実行と活動の積極的発信
②カーボンニュートラル実現に向けたイノベーション創出
③GX実践企業・イノベーション創出企業への積極的投資
官(国・地方自治体)
①「産」に対する供給基盤の整備
②「民」に対する意識改革
学(教育機関)
①「産」に対する技術革新の提供
②「民」に対する教育浸透
民(地域住民・NPO)
GXの重要性を理解して自らの意識や行動に反映
GXリーグが目指しているもの
最終的な目的地を2050年カーボンニュートラルの実現に定めつつ、GXリーグはもう少し手前の目標として3点を挙げています。
1.企業が世界に貢献するためのリーダーシップのあり方を示す。
2.GXとイノベーションを両立し、いち早く移項の挑戦・実践をした者が、生活者に選ばれ、適切に「儲ける」構造を作る。
3.企業のGX投資が、金融市場、労働市場、市民社会から、応援される仕組みを作る。
2番に出てくる「生活者」は子供も、大人も、会社員、フリーランスも経営者も、社会に生きる人たち全員です。また、3番では「市民社会」も出てきています。つまり、GXリーグが変革のターゲットにしているのは企業だけでなく、暮らしを営む「生活者」一人ひとりでもあります。
わたしたち生活者もGXの一員
GXの推進には、そして2050年カーボンニュートラルの実現には、わたしたち生活者の参加が不可欠と言えそうです。どんなに産官学が頑張っても、それを評価し、利用する「民」が重要性に気付いていなければ、経済は成長せず理想の未来にたどり着けません。逆に「民」に応援する体制があれば、GXがものすごいスピードで進む可能性が大いにあります。
しかし生活者の立場で、どれほどの人が当事者であると自覚しているでしょうか。
「大企業がやることでしょ?」
「国がなんとかしてくれるのでしょう?」
と思っていませんでしたか? 役割を自覚し、自発的に意識を変えようとする生活者が増えると、2050年カーボンニュートラルの実現はより近づくと思います。
GXリーグは設立準備公式Webやnoteで活動報告を発信中。多くの企業が対話を重ねて試行錯誤したり連携したりする様子を見ることができます。 わたしも企業側であると同時に、生活者のひとり。GXを推し進める企業の情報を前のめりでキャッチし、環境にやさしい物事を選ぶ力を磨いていきたいと思います。
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