ホーム 太陽光 リユースパネルだけで建設した発電所やまとソーラープラント細田口(2/2)

リユースパネルだけで建設した発電所
やまとソーラープラント細田口(2/2)

前回記事に引き続き、大和電機グループとかごしま環境未来館(鹿児島市)とのオフサイトPPAについてのお話です。特定の施設へ電力を供給するために建設された「やまとソーラープラント細田口」は、パネルや架台(パネルを支える鉄骨の台)など設備の大部分にリユース品を採用しています。リユースパネルの普及は、近い将来に起きると危惧されているパネルの大量廃棄の抑制につながります。

新設発電所にリユース品を活用

2021年8月6日に稼働した「やまとソーラープラント細田口(さいたぐち)」(以下、YSP細田口)。傾斜地に合わせて設計したことで横に長い発電所となりました。施工は当グループの大和電機が担当しました。

256枚の太陽光パネルは、かつて別の発電所で使われていたもの。やまとでしばらく保管していましたが、今回のYSP細田口のプロジェクトでリユースすることができました。パネルだけでなく、パネルを支える架台、配線をまとめる接続箱のプラスチックボックスもリユース品です。

かんまり

接続箱のプラスチックボックスもリユース品。年代モノです。


やまとが使用済みパネルを保管していたのは、これからやってくるパネルの廃棄問題の解決策を見つけるためでした。

パネルの廃棄問題

日本では固定価格買取制度(FIT)をきっかけに数多くの太陽光発電設備が設置されました。産業用のFIT買取期間20年を過ぎたタイミングで発電事業から撤退する企業が相次げば、大量の廃パネルが発生します。20~30年と言われる製品寿命を全うしたものも含め、2030年代後半には年間廃棄量が約50万から80万トンにのぼるとの試算が発表されています。2018年時点の廃棄量は約4400トン。およそ20年で100倍以上に膨らむのです。廃パネルの急増は最終処分場のひっ迫や不法投棄の頻発を招きかねないと危ぶまれています。

    太陽電池モジュール排出見込量(寿命20、25、30年)
    ※太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン第一版より引用(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課 リサイクル推進室)
かんまり

できるだけ多くがリサイクルされるといいのですが……

使えるのに捨てられるパネル

そんななか、寿命前であっても廃棄されるパネルがあるのをご存じでしょうか。

・住宅の解体時
・自然災害被災後にパネルを取り替えたとき
・売電収入を増やすため発電効率の高いパネルに交換したとき

などの場面で撤去されたパネルは、破損していることもありますが、大半がまだ発電できるにもかかわらず産業廃棄物として埋め立て処分されています。

やまとは撤去パネルを捨てなかった

やまとでもさまざまな理由でパネル撤去を行ってきました。それらについて「捨てるという発想がまったくなかった」と当グループ代表・岩﨑は言います。

「処分以外にも何か方法はあるはず。いつか使用済みパネルを活かせるときがくる」と何年もの間保管していました。そしてついにそのときがやってきたのです。

そもそもリユースパネルで建設した発電所はFITを利用することができません。しかし今回のように電気の供給先が決まっている場合はFITに頼ることなく運用することが可能です。非FIT太陽光発電所にリユースパネル活用の可能性を見出しました。

かんまり

使えるものはリユースする! これサステナブルな社会の基本のキ!

施工段階では各社が活躍

YSP細田口のパネルは土砂崩れに見舞われた発電所で使っていたものです。その1枚ずつを検査にかけ、十分な発電性能を備えた256枚を選別。裏側にうっすらと泥汚れが残っているパネルもありますが、問題なく発電してくれます。

    パネルの裏側。土砂を被った形跡がわずかながらわかります

とはいえリユースパネルだけで発電所を建設するのは初の試み。想定通りの発電量が確保できるか、不具合が生じないかなど細部までチェックしながら作業を進行しました。

また、需給管理を行うネクストパワーやまとが発電状況を監視するシステムは、既製品の中に見合うものがないという問題もありました。そこで当グループで制御盤製作を手掛けている進栄テクノスがオリジナルの遠隔監視システムを設計・製作。グループ各社が連携し、無事すべての設備を整えることができました。

グループの総力で新たな展開へ

グループが一丸となり太陽光発電が抱える廃棄の問題に真剣に向き合ったプロジェクト。これまで温めていたアイデアを実践し、実現可能であることが証明できました。

今後はやまとソーラープラントが保守管理を担い、長期運用を支えます。リユースの設備を管理していく中でまた多くを学ぶことになるでしょう。YSP細田口で得たノウハウを、新たな展開につなげていきたいと考えています。

この記事を書いた人:かんまり

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