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ニュースを読み解こう「ゴールドマン環境賞を日本女性が初受賞」

「環境分野のノーベル賞」とも呼ばれる国際賞「ゴールドマン環境賞」の受賞者に、日本女性初、環境NPO「気候ネットワーク」の平田仁子さんらが選ばれた、とのうれしいニュースが飛び込んできました。「ノーベル賞」と「日本女性初」のパワーワードに、思わず飛びついたものの、恥ずかしながら「ゴールドマン環境賞」や受賞された平田さんの活動について、よく知りませんでした。せっかくのこの機会に知見を深めたいと思いますので、お付き合いください。

A newspaper on a wooden desk – News

「ゴールドマン環境賞」とは?

アメリカの財団が1989年に設けた、「ゴールドマン環境賞」は、環境保護活動で功績があった人に贈られる権威ある国際的な賞です。毎年、世界の6つの大陸から1人ずつが受賞します。選ばれるのは、環境問題に取り組む優れた活動家のみ。各地域における功績とリーダーシップを賞で称えるとともに、地球を守るために、私たちみんなが行動することをよびかけることが目的とされています。

日本人の受賞は23年ぶり3人目、女性としては初めて

ゴールドマン環境賞はこれまでに2人の日本人が受賞しています。1人目は1991年受賞、アジア熱帯林の保護に取り組み政府や企業に木材の輸入量の削減を訴えたことが評価された環境保護団体「熱帯林行動ネットワーク」事務局長の黒田洋一さん。2人目は1998年受賞、長崎県諌早湾の国の干拓事業に反対し、干潟の保護に取り組んだ山下弘文さんです。そして2021年、「島嶼国部門」の受賞者として、京都市の環境NGO「気候ネットワーク」の理事、平田仁子さん(50)が選ばれています。


以下がゴールドマン環境省のホームページ(英語)です。

ゴールドマン環境省のホームページ(英語)
みちよ

2021年の受賞者に平田さんのお顔を発見。おめでとうございます!

平田仁子さんってどんな人? 何が評価されたの?

平田さんは日本の環境NGOで長年活動して、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所の問題などを発信してきた方だそうです。ゴールドマン環境省の受賞者紹介では、平田さんを以下のように伝えています。

2011年の福島第一原発の事故により、日本は原子力発電への依存からの脱却を余儀なくされ、他方で石炭火力を主要なエネルギー源として推し進めてきました。過去数年間にわたる平田仁子氏の活動により、日本国内の13基の石炭火力発電所(7GWまたは7,030MW)の計画が中止に至りました。もしこれらの石炭火力発電所が建設されていれば、その寿命の間に16億トン以上の二酸化炭素(CO2)を排出していたはずでした。平田氏の活動がもたらす炭素への影響は、40年間にわたり年750万台の乗用車利用によるCO2が削減されたことに相当します。

ゴールドマン環境省 プレスリリース

平田さんらの活動により、日本の石炭火力発電所の新規計画の約3分の1が中止になったことが評価されての受賞だったのですね。
裏を返せば、それだけ世界の脱炭素化が浸透していて求められている、ということもわかりました。

ニュースから見える日本の今。日本の石炭火力は批判の対象に

日本の発電量全体に占める石炭火力発電の割合は、福島第一原発事故のあと原子力に代わる形で増加し、2012年度以降は3割を頼る状況が続いています。この依存度はG7の中で最も高い数字です。

みちよ

このあたりについては、以前の「エネルギーミックス 」の記事でも触れていますので、よろしければご覧ください。

知る、学ぶ。 「エネルギーミックス」とは?


ヨーロッパを中心に石炭火力発電所を段階的に廃止していく動きが広がる中、国際社会では日本に対する批判の声も出ていますが、先日の6月13日まで開かれたG7サミットでは、気候変動対策として石炭火力発電からの移行を加速させることで合意したと発表されました。今後、日本国内でもますます脱炭素化の動きが強まりそうです。

悪者にされがちな石炭火力ですが、エネルギー安定供給に貢献しているのも事実です。メリットデメリットについては、以前の「火力発電」でも学びました。

知る、学ぶ。 「火力発電」

そして矛盾しているようですが、子どたちへ安心な未来を届けたい、そのために必要な脱炭素化を実現したいというのも心からの想いです。
今は毎日たくさんのニュースが飛び交っています。情報そのものはもちろん、その背景や想いを読み取って、私たち自身が考え行動していくことが必要です。

この記事を書いた人:みちよ

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