ロシア「サハリン2」接収!? 日本のエネルギー問題はどうなる?
毎日、暑い日が続きますね。毎年のように呼びかけられる「節電」に加え、今年は「節ガス」を求める声も聞こえます。例年以上にエネルギー問題を深刻にしている背景には、未だ止まないロシアの「ウクライナ問題」、その波及によるロシアの「サハリン2」接収があります。一体何が起きているのでしょうか。
(この記事は2022年7月12日に書いています)
目次
そもそも「サハリン2」って、なに?

「サハリン2」は2009年に稼働開始した、ロシア・イギリス・日本共同の石油・天然ガス(LNG)開発プロジェクトです。出資している企業(出資比率)は、ロシアの国営ガスプロム(50%)、イギリスのシェル(27.5%)、日本からは三井物産(12.5%)と三菱商事(10%)です。年間で1,000万トンも生産されるLNGのうち6割が日本へ輸出されていて、日本のLNG総輸入量のうち1割近くにも及んでいます。用途は輸入の大部分が電力用として火力発電所の燃料に、のこりは都市ガス用として使われています。エネルギーそのものが不足することも問題ですが、さらに輸送コストも問題です。もしロシア以外の中東などから調達するということになると、輸送コストが大きく跳ね上がってしまうからです。ロシアからのエネルギー調達ができなるくなると、エネルギー不足とコスト増と二重の負担が…。日本の電力・ガスの安定供給という観点から、「サハリン2」が大きな意味を持っているということがよく分かりました。
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ちなみに「サハリン1」はアメリカ・ロシア・インドとの開発プロジェクト。日本の官民が出資してつくられた「サハリン石油ガス開発」が30%の権益を保有しています。

ロシアの「サハリン2」接収とは?
接収を調べてみると、国語辞典で「権力機関が強制的に国民の所有物を取り上げること」とありました。これはロシアのプーチン大統領が、6月30日にサハリン2の運営主体と資産を新たに設立するロシア企業に移すことを定めた大統領令に署名したことを指しています。ロシアの提示する条件からこれを事実上の「接収」と表現したニュースを多く見ました。
要因は、ウクライナ侵攻に対する経済制裁への報復とも、早々に撤退を表明したイギリス・シェルへの対抗とも、さまざまな見方があります。
ウクライナ問題についておさらいなら、こちら日本政府からは「すぐにLNGの輸入が止まるわけではない」とのコメントがでていますが、今後の展開は不透明です。ロシアが示す条件次第では、サハリン2からの供給が途絶える可能性もあれば、供給が続いたとしても価格が高騰する可能性も。いずれにせよ夏の電力需給が逼迫するタイミングで、追い討ちをかけるような事態。家庭へのエネルギーに関する負担増への心配が尽きそうにありません。個人や家庭でもできる省エネ・節電を実行しながら、今後の行方を注視していきたいと思います。
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