ホーム エネルギー 知る、学ぶ。日本のエネルギーの「今」

知る、学ぶ。
日本のエネルギーの「今」

毎日の暮らしにかかせないエネルギー。ですが、日本のエネルギー自給率がとても低いこと、ご存知でしょうか?

2018年の日本の自給率はわずか11.8%。そのほかのOECD(経済協力開発機構)諸国と比べても、その水準の低さがよくわかります。

その大きな原因は、国内にエネルギー資源がとぼしいこと。エネルギー源としてメジャーな石油・石炭・液化天然ガスなどの化石燃料はほとんどなく、海外からの輸入に大きく頼っています。

出典:IEA「 World Energy Balances 2019」の2018年推計値、日本のみ資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2018年度確報値。※表内の順位はOECD35カ国中の順位

エネルギー自給率が低いと、なぜダメなの?

海外にエネルギー源を頼ったままということは、「自国だけで安定してエネルギー源を確保できない」ということ。海外から何らかの理由で、輸入が途絶えてしまうと、たちまち私たちの日常が立ち行かなくなってしまいます。

現在の日本の主なエネルギー源は化石燃料。その輸入先はサウジアラビアなどの中東がほとんど。中東はよくニュースでも見かけるように、政情が不安定な地域です。遠くの中東での出来事が、実は日本の私たちの日常に大きな影響があるのです。戦争などを契機におこった1970年代のオイルショックで、街中のトイレットペーパーがなくなるなど大きな混乱が起こったことからも、よくわかります。

輸入先の地域を分散するだけでなく、日本のエネルギー自給率を高めることが、私たちの暮らしの安心と安定を支えることに直結します。

再生エネルギーの普及促進

エネルギー自給率を上げるために注目されているのが、「再生エネルギー」による発電です。太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった再生エネルギーの普及が、エネルギーの安定供給の解決に効果的とされています。

環境にもやさしく、エネルギー資源をもたない日本でも可能な、いいことづくしに思える再生可能エネルギーの発電ですが、発電設備の建設・維持に多くのコストがかかってしまうことがデメリットです。

そこで政府が導入したのが、やまとでも馴染み深い、再エネでつくった電気をあらかじめ決められた価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」です。

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用の一部を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。

経済産業省 資源エネルギー

この制度で初期にかかってしまう大きな発電設備導入コストの回収の見通しが立ちやすくなりました。2012年に導入されて以降、再エネの設備容量はぐんぐん伸びていることからも、その効果がしっかりと現れていると言ってよさそうです。

出典:JPEA出荷統計、NEDOの風力発電設備実績統計、包蔵水力調査、地熱発電の現状と動向、RPS制度・固定価格買取制度認定実績などにより資源エネルギー庁作成

暮らしに根付く「再エネ賦課金」とは?

再エネ賦課金の正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」。電力会社から毎月届く電気料金のお知らせにも、電力料金の一部として記載されていますよ。

みちよ

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この制度はFITと同じ2012年から始まったもの。再生エネルギー普及促進を目的とし、再エネ普及により電気料金が下がるという恩恵を受けられることから、電気を利用するすべての国民から例外なく徴収されています。

ちなみに2019年度(2019年5月分〜2020年4月分まで)の単価は、1kWhあたり2.95円。この単価はこれからも上昇することが予想されていて、いち利用者として家計への負担が心配です。電気料金の上昇による負担の増加は控えめに、でも環境のため、未来のためにも、再生可能エネルギーが拡がることを祈りたいと思います。

この記事を書いた人:みちよ

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