電力不足で市場価格が高騰。
いったい何が起こったのか?(2/2)

電力が不足している。電気の価格が高騰している。2021年が始まりしばらくたった頃、一部の報道やSNSに挙がったこれらの声に不安を感じた方は少なくないでしょう。 いったい何が起きているのか、2021年1月中旬時点の状況をまとめます。(全2回)
目次
電気代が高くなる?
電力市場価格高騰と聞いて気になるのが、毎月の電気代です。「野菜が不作のため価格が高騰しています」「漁獲量が減少し、今年のサンマは高額で取引されています」などのニュースに日ごろ触れているため、電気代も高くなるのではないかと。
やまとの場合でお話しします。
一部報道にあったような、3倍、5倍になることはありません。
やまとの電気料金の算定方法
やまとの電気料金は、次のように分けられます。
・基本料金
・電力量料金
・燃料費調整額
・再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金
ご契約の容量ごとに設定された固定の金額です。
電気量料金
使用電力量に応じて計算します。
やまとの従量電灯Bプランの場合、
①~120kWh
②121~300kWh
③301kWh~
と使用量ごとで単価(〇〇円/1kWh)が設定されており、①+②+③が電力量料金となります。
時間帯や季節など、ライフスタイルに合わせて単価を設定しているプランもあります。
燃料費調整額
燃料費調整単価×使用電力量で計算されます。燃料費調整単価は、原油、LNG、石炭などの火力燃料の価格(平均燃料価格)によって毎月変動します。供給エリアごとに平均燃料価格の基準値が設定されており、3カ月間の平均燃料価格(実績)が基準より高ければ電気料金に加算され、低ければ減額されます。一般的には供給エリアの旧一般電気事業者(九州電力や東京電力エナジーパートナー)と同じ料金で計算し、やまとも同様です。
単価確定に時間を要するため、例えば1月1日~3月31日までの3カ月間の平均燃料価格は、6月分の電気料金に反映されます。今回の市場高騰が始まった12月後半を含む10月1日~12月31日の期間であれば、3月分となります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
固定価格買取制度(FIT)で買い取られる再生可能エネルギー発電による電気の買い取り費用を反映させたものです。電気を使うすべての人が負担しています。単価(2020年5月分~2021年4月分は2.98円/1kWh)×使用電力量で計算されます。
電力量料金は固定単価で計算するため、電力市場取引価格が高騰しても単価は上がりません。お客さまが使用した電力量に比例して増減します。
いま一度、契約プランのご確認を
この計算方法は、やまとの電気に限らず多くの新電力で採用されています。旧一般電気事業者でも同様です。しかしすべての電力会社がまったく同じというわけではありませんので、契約プランを確認することをおすすめします。
今後はどうなる?
電力の燃料や市場については一般には見えない世界の話であるため、不安になった方もいるかもしれません。まずは事態を冷静に把握してください。
季節が変われば電力需要は落ち着きますが、LNG不足が解消されるかは不明です。今回の出来事はこれから検証を行い、課題や対策が明らかになると思います。できる範囲での節電を心掛けながら、今後の動きに注目してきたいです。