ファッション視点で考えるSDGs
サステナブルファッション
梅雨があければ、あっという間に夏ですね。先日ようやく衣替えをしたところ、 好みやトレンド(あと体型も)が変わって着なくなった服がちらほら。 断捨離を思い立つも、捨てるのもしのびない、売るのも面倒と、あれやこれやと服の処分方法を思案しながら調べるうちに「サステナブルファッション」へたどり着きました。同時に、ファッションに関わるかなしい現実にも。今回は、毎日の暮らしに欠かせない「服」について、考えます。

SDGSについてはこちらでもご紹介していますので、おさらいにぜひ。

目次
アパレル業界が抱える環境課題
わたしたちの日常の、あらゆる方面で持続可能な社会への取り組みが進む今。アパレル業界も例外ではありません。むしろ環境への気運はかなり高まっています。その背景には、環境への課題が山積みな現実が。代表的な課題の2つに注目しました。
1.環境への負荷が大きい
服1着が出来上がるまでにはたくさんの資源が必要です。原料となる植物などの材料だけでなく、その栽培や染色のために大量の水が使われています。さらに、のこっと生地はゴミとなり、製造の過程では、環境問題で最も問題視されているCO2が排出されています。
2.衣服ロスが大量に発生
現在、日本における衣類廃棄料は、年間約100万トン(※独立行政法人 中小企業基盤整備機構調べ)です。ファストファッションが多く支持され流行の服が手軽に入手できるようになった反面、服のサイクルがどんどん早くなってきました。ある調査では1人が1年で購入する枚数は約18枚、手放す服は約12枚、家にただ眠っている服は25枚あると言われています。
さよならした服たちはどこへ?

手放した服たちはどのような最後を迎えているのか、調べてみました。個人的には、世間のフリマアプリなどの認知度もあがり、リサイクル意識も高くなったと感じていました。しかし、実際はリサイクルへまわる服は14%、リユースされる服は20%と、再活用される割合は半分にもみたない34%でした。ほとんどは可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄され、その割合は68%にも。服がごみとして廃棄されると、再資源として活用される割合はそのうちの5%ほどで、そのほか年間48万トンは焼却・埋め立て処分されています。この48万トンを換算すると毎日、大型トラック約130台分の服が、焼却・埋め立てされていることになります。この処理にももちろん、前述の通り環境への負荷が生じています。
サステナブルファッションを楽しもう!
ファッションの材料の調達から生産・流通まで、環境への負荷を配慮した取り組みである「サステナブルファッション」。アパレル業界や関わる企業だけでなく、わたしたち消費者にも今すぐできることがあります。5つ紹介します。
1.手持ちの服を長く大切に着る
もっている服を1年長く着ると、日本だけで4万トン以上の廃棄量が削減できます。
2.リユース(再利用)でファッションを楽しもう
古着を購入したり、フォーマル服など1年に数回しか着ないような服は、シェアリングやレンタルサービスを利用しましょう。
3.本当に必要なもの・好きなものを選ぼう
クローゼットの服を把握して、必要なものだけを。トレンドだけを追わず、長く着られるデザインや品質を選びましょう。
4.服のつくられ方を知ろう
素材や生産ルートを確認しましょう。商品のタグやラベルを見たり、ブランドのサイトなどにアクセスして。
5.服を再活用。ごみから資源へ
リサイクルショップや、住んでいる自治体の古着回収方法を調べて活用しましょう。ゴミとして廃棄・焼却されなければCO2の削減に。
毎日の暮らしに必要な服。知ること、考えることで、持続可能な社会への取り組みに参画できます。食べものを選ぶように、どんな素材か・どんなつくられ方をしているのか、当たり前に考えられる習慣を身につけていきたいですね。
サステナブルな未来のためにできること3Rについてはこちら!