ホーム エネルギー 最新報告『日本の気候変動2025』を読み解く【後編】――猛暑・豪雨・台風、日本に迫る具体的な変化

最新報告『日本の気候変動2025』を読み解く【後編】――猛暑・豪雨・台風、日本に迫る具体的な変化

前編では、報告書『日本の気候変動2025』が示す「2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」という2つの未来像をご紹介しました。
「4℃シナリオ」の方がよりネガティブな未来だということは分かりましたが、具体的に私たちの暮らしにどんな形で現れるか気になりますね。

ここ後編では、近年当たり前になりつつある猛暑や豪雨、台風や海の変化といった日本で実際に予測されている具体的な影響を見ていきます。気になるテーマをいくつかピックアップしました。
「気候変動は遠い未来の話」ではなく、すでに私たちの生活の足元で進行している現実であることが、きっと実感できるはずです。

日本で予測される変化のリアル

1.猛暑の増加と冬日の減少

『日本の気候変動2025』によれば、どちらのシナリオでも年平均気温は上昇し、猛暑日は確実に増加します。夜になっても気温が下がらない「熱帯夜」はますます増え、エアコンなしでは眠れない日が増えるでしょう。熱中症リスクの上昇や、冷房需要による電力負担の増大も懸念されます。
反対に、冬日(最低気温が0℃未満の日)は減少傾向。祖父母が体感してきた「冬らしい寒さ」がどんどん遠のき、日本の四季が大きく変わっていくことがわかります。

2℃シナリオ/4℃シナリオ
●年平均気温:約+1.4℃/約+4.5℃
●猛暑日の年間日数:約+2.9日/約+17.5日
●熱帯夜の年間日数:約+8.2日/約+38.0日
●冬日の年間日数:約-16.6日/約-46.2日

2.豪雨・大雨の頻発

報告書では、全国平均で「極端な大雨」の発生頻度が増加するとされています。
「1時間降水量50mm以上」とは、“バケツをひっくり返したような強い雨”のこと。外出時なら傘も全く役に立たないレベルです。

やまとの本拠地・鹿児島は、全国でも有数の多雨地域。2025年8月7日・8日には、やまとの拠点のひとつ霧島市で浸水被害が発生したばかりです。暮らしの中で「通勤や買い物ができない」「自宅周辺が冠水する」といった事態がより日常化する可能性があります。

2℃シナリオ/4℃シナリオ
●1時間降水量50mm以上の年間発生回数:約1.8倍/約3.0倍
●日降水量100 mm以上の年間日数:約1.2倍/約1.4倍
●年最大日降水量の変化:約+12%/約+27%
●日降水量が1.0 mm未満の日の年間日数:明確な変化傾向なし/約+9.1日

3.台風の強度が上がる

台風の発生数自体は大きく変わらない可能性がありますが、強い台風の割合が増えると予測されています。勢力が強まれば、これまで浸水経験のなかった地域でも被害が起きるかもしれません。
実際に、近年の大雨災害では「長年ここに住んでいるが浸水は初めて」という声が聞こえてきました。最悪のシナリオを想定し、自分や家族でできる危機管理を考えておくことが重要でしょう。

4.海面水位の上昇

『日本の気候変動2025』では、日本沿岸の平均海面水位は21世紀中も上昇を続けると予測されています。

2℃シナリオ/4℃シナリオ
●日本沿岸の平均海面水位:約+0.40m/約+0.68m

4℃シナリオでは、東京湾・大阪湾・伊勢湾といった大都市圏の湾で高潮被害が大きくなると予測され、低地や河口部での浸水リスクも拡大します。被害が拡大すれば、防災対策や復旧にかかるコストも増大するので、経済的な影響も避けられません。

みちよ

参考までに、世界の平均海面水位は、2℃上昇シナリオで約+0.44m、4℃シナリオで約+0.77mと報告されています。

数字の違いが暮らしの違いに

前編で紹介した「2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」。
そして後編で見てきた猛暑、豪雨、台風、海面上昇の具体的な予測。

これらを合わせて考えると、数字の違いはそのまま私たちの暮らしの違いにつながります。2℃上昇でも影響は避けられませんが、4℃上昇になると極端な気象が頻発し、暮らしや経済に大きな負担がのしかかることが見えてきました。

4℃シナリオを実現させないために

「2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」で描かれる未来を比べると、個人の力では無力に思えるかもしれません。けれど、私たち一人ひとりや地域でできることは確かにあります。

●省エネ設備の導入
●再生可能エネルギーの活用
●防災意識の向上や地域のまちづくりへの参加
●気候変動に関する知識を身近な人と共有する

小さな行動の積み重ねが、より良い未来を選ぶ力になります。まずは自分にできることから始め、未来に向けた一歩を踏み出してみましょう。

みちよ

やまとでは、再生可能エネルギーや省エネに関するサービスを、暮らしの中で無理なく取り入れられるサポートも行っています

省エネ設備や太陽光発電設備の導入のご相談はこちら

この記事を書いた人:みちよ

この記事をシェア!