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「水素エネルギー」
石炭や天然ガスのような化石燃料に代わり、CO2を排出しない次世代のクリーンエネルギー として注目される「水素エネルギー」。この水素エネルギーの活用を支援しようと、国は2017年「水素基本戦略」で目指すべきビジョンと行動計画を示しています。そして、2021年のいま、少しずつ「水素社会」の形が見えてきました。一つひとつ詳しくみていきます。

目次
「水素エネルギー」とは?
水素エネルギーは燃焼させて熱エネルギーとして利用してもCo2を排出しないことは前述の通り。ここで注目したいもうひとつの特徴が、水素は水だけでなく、さまざまな資源からつくることができるということです。現在の日本では、一次エネルギーのほとんどを輸入に依存しています。でも国内の資源を水素の原料にできれば、エネルギー自給率を改善することができます。さらに、季節や時間により使いきれない太陽光や風力などの再生エネルギーや、生ゴミや植物などのバイオマス燃料を原料に水素をつくることができれば、よりクリーンで画期的なエネルギー資源になるとして期待されています。
おさえておきたい「水素基本戦略」のポイント
多角的なエネルギー調達と自給率アップが期待される水素に関わる重要な政策に「水素基本戦略」があります。2017年に策定された戦略で、当時の安倍首相を筆頭に世界に先駆けて水素社会を実現するべく決定されたものです。3つのポイントをおさえておきましょう。
ポイント①
2050年を視野に将来目指すべきビジョンを示したもので、同時にその実現に向けた2030年までの行動計画である
ポイント②
水素を再生可能エネルギーと並ぶ、新しいエネルギーの選択肢に
ポイント③
水素のコストをガソリンやLNGなど従来エネルギーと同じ程度のコストにすることが目標

水素基本戦略が示すカーボンフリーな「水素社会」とこれから
水素エネルギーにより、エネルギー問題の解決や、安定したエネルギー供給につながるとされる「水素社会」。実現すれば多くのメリットがありますが、まだまだ課題もたくさん。最大の課題がコスト面。低コスト化のためには3つの条件が求められています。
水素の低コスト化のための3条件
経済産業省 資源エネルギー庁
①安価な原料を使って水素をつくる
②水素の大量製造や大量輸送を可能にするサプライチェーンを構築する
③燃料電池自動車(FCV)や発電、産業利用などで大量に水素を利用する
2021年のいま、低コスト化ための取り組みのひとつである水素ステーションの普及や、オーストラリア・日本間で水素・燃料電池分野の協力に関する共同声明が締結されるなど、国内外で日本は水素社会の実現に向けた取り組みを進めています。グローバル競争もはじまり、多くのポテンシャルを秘めた「水素」の動向に今後も注目です。
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